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  • 2007年02月13日 15:32 屋根裏と檻の中にて
  • 零の地平線

    対象楽曲:「...Reloaded」「屋根裏の少女」

    「屋根裏の少女」はこれまでのアルバムの楽曲で、今のところ唯一「零の地平線」の曲である、「...Reloaded」の中で称されています。
    Pico Magic Reloadedといういずれの地平にも属さないアルバムにのみ収録されているこの楽曲は、先の記事である「屋根裏と檻の中にて」のとおり、ミシェル・マールブランシェの最初の物語です。

    ミシェルの物語は、「...Reloaded」によると「黒の歴史が紡がれるより以前」の物語です。
    黒の歴史が紡がれる以前という事は、ノアやクロニカが生まれるよりも前であり、まだ「黒の予言書」が作られていないという事です。

    「屋根裏の少女」の話は「1887年とごく近代であるにもかかわらず、です。その後の「地平線」で語られる話は、Arkのような一部の例外を除くと、ほぼ全てが中世ヨーロッパあたりをモチーフとした物語となっています。

    だとすると。「Chronicle」から「Roman」までの全ての地平線は、ミシェル・マールブランシェが描いた幻想が具現化した物語ではないのでしょうか。ただし、ミシェルは幼いです。これらの地平線の全ての物語を彼女が一人で考えたとは考えにくいでしょう。ましてや、彼女は幼少から監禁されており、知識も非常に限定的で、乏しいはずです。

    だとすれば。彼女は最初は純粋に「お友達」がほしかっただけかもしれません。お友達として"作った"のが「クロニカ」や「ノア」であったら?そして幼い少女の制御を超え、生み出された存在が自らの意思で行動をはじめたら?
    ミシェルの意思を超えたところで、彼女によって生み出された存在たちによって「地平線」が生み出されていったのかもしれません。

    屋根裏と檻の中にて

    対象楽曲:「屋根裏の少女」「檻の中の遊戯」「檻の中の花」「yaneuraroman」

    屋根裏の少女から続くMichele Malebranche三部作。+Roman第2のボーナストラックであるyaneuraroman。この記事ではそこについて語ります。

    この物語は、「檻の中の花」で語られているように、3つのステージに分けられます。まずは、全ての事件が現実の中で連続しているという仮定のもとに各ステージごとに考察します。



    ■初舞台「パパの幸せを描いてあげる…」 1887年11月21日
    この部分は「屋根裏の少女」にて語られています(曲自体には歌無し。詩のみ存在)
    実父Joseph(ジョゼフ)に「飼われて」いた少女ミシェル。この時代に、彼女は何か尋常ならざる能力を得たようです。
    それはおそらく「キャンパスに描いたものを現実化する能力

    「私…お友達が欲しいな…」

    彼女は、キャンパスに対して望む「お友達」を描き、それを現実化してしまったのではないでしょうか。それは、あるいは狂気を孕んだ異形だったのかもしれません。それ故に、狂人に堕ちた父親でさえ、娘の異常さに気がつき、娘を殺そうとした。 
    …あるいは、父親は狂人などではなく、最初からミシェルに潜む異能に気がついていたのか。

    ミシェルはこの時、父親を殺害します。しかしその殺害方法は年齢相応の少女には到底不可能なほどに凄惨で不可解な変死だったようです。また、証拠もありません。
    「そうだ…パパの幸せを描いてあげる」
    この時、ミシェルは何かをキャンパスに描き、具現化したその存在によって父親を殺害したと考えられます。そして父親の血によって「赤いキャンパス」になったのではないでしょうか。



    ■2度目の舞台「もう一度この手で彼女を…」 1895年7月30日
    この部分は「檻の中の遊戯」にて語られています。
    この時、ミシェルは加害者側ではなく被害者側として犯罪史に登場しているようです。

    おそらく父を失い、身寄りを失ったミシェルを叔父であるArmand Ollivier(アルマード・オリヴィエ)が引き取ったのでしょう。しかし、叔父が求めたのはミシェルの若い肉体であったと見受けられます。檻の中の遊戯の冒頭を素直に読むのであれば、叔父はミシェルを抱きながら、首を絞め絞殺しています。

    あるいはそれが彼なりの狂った愛情だったのかもしれません。若いミシェルを若いままに保ち、自らのそばに置く方法。しかし、そこに異常が発生します。おそらく…その後の叔父の行動を見るに、ミシェルは蘇生したのです。"識られざる幕間"の「素早く抱き寄せ 首筋に熱い接吻」という部分からも見るに、彼女は吸血鬼に近い特性を得ているものと考えられます。

    そこで叔父も危機を覚えたのでしょう。ミシェルの力が異常であることに。故に彼はミシェルを完全に殺そうとした。それが「もう一度この手で彼女を…」という部分だと考えられます。そして、彼はミシェルを殺害し、その遺体を用意した棺桶の中に入れて葬ろうとします。

    しかし、ここですでに叔父はミシェルの異能に踊らされていただけに過ぎなかったのだと思います。ミシェルは先に得ている何らかの力によって叔父に夢や幻影を見せていたのかもしれません

    いずれにせよ、叔父は逮捕された時点で「半狂乱で笑いながら庭に穴を掘っていたところを…」という状態であったため、酷い錯乱状態にあった事は確かなようです。
    ミシェルの作り出した「檻」の中で夢を見ているという事を忘れ、狂っていった叔父。それが「檻の中の遊戯」における「忘レモノ」だと思われます。

    そして、「絞殺・死体遺棄未遂事件」については、警察がミシェルを見つけた時点ではミシェルは確かに死んでいたのかもしれません。しかしその後"幸運にも"息を吹き返した生存者となったのではないでしょうか。無論、彼女の場合は"幸運"ではなく"必然"なのでしょうが。



    ■三度目の舞台「少年の液体は仄甘く」 1903年 2月4日
    ミシェルが死亡した時。この部分の話は不完全ながら「yaneuraroman」にも出てきます。
    おそらく二度目の舞台の時に完全な被害者であったミシェルは特に警察にマークされることもなく、その後の8年間を過ごしたことでしょう。
    それゆえに13人という多人数の少年を連れ込み、そして殺害するようなことができた。
    おそらく彼女はこの13人の少年を生贄として使って、何かしらの黒魔術でも実行したのでしょう。
    「少年の液体」というのは少年たちの血、または精液などの体液の事であると考えられます。

    そして……彼女は、古い「ミシェル」という肉体を脱ぎ捨てて、転生した。yaneuraromanでは「さぁ、生まれておいでなさいHiver…」という下りがあります。これは、正にミシェルが何らかの黒魔術的な儀式を行い、イヴェール(Hiver)という存在への転化を果たした瞬間なのではないでしょうか。

    Hiverという単語が持つ意味は「冬」です。2月4日という冬に転生した者にとっては、その名前はふさわしいものではないでしょうか。しかし彼女の転生は不完全で、正常な転生を行う事はできなかった。

    それゆえに死でも生でもない狭間に囚われてしまい、抜け出せなくなったのではないでしょうか。そしてその「右手に神を、左手に悪魔を宿した…」という異能は、「双子の人形」へと転化し、その能力で自らが完全に転生し、生まれてくるための物語を紡ごうとあがいている。
    それこそが「Roman」なのだと考えます。

    ※Hiverは「右手に死を、左手に生を」でミシェルと能力が逆転しています。これは、彼女が転生の際に性転換を行ったために能力自体も逆転したのではないかと考えます。

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