- 2007年08月02日 01:26 ガリア戦史考:各地の戦い
「聖戦と死神」では複数の国家を巻き込んだ非常に大きな戦争が行われていました。
ここでは、その戦いを時系列順に並べたうえでの考察を行ってみます。
この物語の大元はフランドル帝国ではなくプロイツェンです。祖国を奪われたアルヴァレスは近くのフランドル帝国に身を寄せます。この戦争は、フランドル帝国に開戦の大義名分を与えてしまった可能性があります。つまり「ベルガ人達のためにベルガを取り戻す」というものを。
だとすると、ある意味ではアルヴァレスはこの大きな戦争の原因の一端となったのかとも考えられます。
復讐に燃えるアルヴァレスを擁したフランドル軍はプロイツェンへ侵攻し、征服に成功します。しかし、この時点でベルガはベルガとしてではなく、プロイツェン領の一部として組み込まれています。
当時のアルヴァレスでは、まだ地位も低く、ベルガの独立をフランドル王へ嘆願することも難しかったのでしょう。この時点ではベルガはフランドルに組み込まれたままです。
アルヴァレスが行うべきことは、異国での地固めでした。十分な地位を得ることで、祖国の土地であるベルガへの干渉権を得ようとしていたのでしょう。そのために彼はロンバルドへの侵攻の際、先陣を切ったものと思われます。戦功を多くあげればそれだけ地位もあがっていくからでしょう。この狙いは見事に当たり、次の悲劇(戦争)を引き起こします。
プロイツェン、ロンバルドとの戦争で頭角を現したアルヴァレスを、フランドルが放置するわけにはいかないでしょう。しかし、何もしないで働かせることも困難。なぜなら彼の原動力は唯一つ「ベルガを取り戻す」だったのですから。
そこで、目の前にエサをぶらさげてアルヴァレスを動かす事になります。エサは「ベルガの自治権」。アルヴァレスはこれに乗せられ「己の願望を満たすために」カスティリアへ侵攻・征服します。
この時の戦い、「アラゴンの戦い」は非常に不利な戦力差でした。アルヴァレス率いるフランドル軍5000人に対し、カスティリアの北方防衛駐留部隊は12000人。実に2倍以上の差です。ましてやフランドル軍はピレーネ山脈を越えるという強行軍を行わなければならず、体力の消耗は避けられません。
おそらくアルヴァレスは「死んでもいい」存在して扱われていたのでしょう。「黒の教団」の密会から見るに、むしろ戦いの中で「死んでほしかった」存在ですらあるようです。
しかしアルヴァレスはものの見事に勝利を収め、凱旋します。これにより彼の名声はさらにとどろきわたることになります。「黒の教団」はかつてのアルヴァレスのように祖国を奪われ、復讐に心を囚われたゲーフェンバウアーを刺客として軍へ送り込みます。
唯一フランドルが失敗した戦争です。楽曲内で語られている戦いは、主に2つあります。
05-a. 「カンタベリー平原の戦い」
こちらは陽動作戦だったものと思われます。これみよがしに第一陣を最短距離でブリタニアへ投入。そちらへ兵力を裂かせたうえで、アルヴァレス率いる第三陣に裏から強襲させるという作戦だったよいうです。
※ちなみに第二陣はどこにも記述がなく、第一陣のサポートなどを実施していたものかと考えられます
あるいは、もっとフランドル側がおろかだった場合、当初はこの戦いのみで押し切るはずだったところ、パーシファルなどの思わぬ苛烈な抵抗に合い、作戦の変更・追加をしたということも考えられます。
5-b. ホワイトヘブンの戦い
ドーバー海峡付近にパーシファルなどの有力な騎士が集まっている中、アルヴァレス率いる第三陣は海を渡り、ブリタニア中央部へ直接切り込みます。また、補給もままならない有様だったでしょう。まさに、死地に放り出されたわけです。
アルヴァレスはこの戦いのさなかに逃げていたブリタニア女王ローザ・ギネ・アヴァロンと出会い、フランドル軍を裏切ります。
Chronicle 2ndのガリア地域は実在のヨーロッパの国名・地域を元にしていると見受けられます。
以下に、現在のヨーロッパ地図を元に、ガリア地域の地図を作成しました。
以下にそれぞれの国名・地域の解説を行います。
フランドル内の地名と現実の地域
・Verseine(ヴェルセーヌ)宮殿:『Verseine休戦協定会談』より。ヴェルサイユ宮殿が元か
・Yvelines(イブリーヌ):ヴェルセーヌ宮殿がある地域。
現実のイブリーヌはヴェルサイユ宮殿にほど近い地域のこと
ベルガ内の地名と現実の地域
・Welkenraedt(ウェルケンラート):
アルベルジュとシャルロッテが誓いを交わした丘の付近の森。ベルギー北東部。
プロイツェン内の地名と現実の地域
・Offenburg(オッフェンブルグ):
ゲーフェンバウアーが家族を失った地。ドイツ西部の都市名。
カスティリア内の地名と現実の地域
・Pureenes(ピレーネ)山脈:
アルヴァレスが進軍した山脈。実際のフランスとスペインの間に横たわる山脈。
・Aragon(アラゴン)平原:
アルヴァレス率いるフランドル軍5000とカスティリア軍12000が激突した地域。
スペイン北東の州名。
イターニア内の地名と現実の地域
・Firenza(フィレンツァ):紅の歌姫ロベリアの都市。
イタリア、トスカーナ州の都市フィレンツェが元か。
・Naporta(ナポリ):南都と呼ばれた紅の歌姫の後援都市。イタリア南部カンパニア州都。
・Mirana(ミラーナ):蒼の歌姫ジュリエッタの都市。
イタリア、ロンバルディア州都ミラノが元か。
・Venera(ヴェネラ):水都と呼ばれた蒼の歌姫の後援都市。
イタリア北東部ヴェネト州都ヴェネツィアが元か。