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このカテゴリの考察記事の一覧
  • 2007年05月15日 00:30 ロマンを求める暗号解析表
  • 2007年05月14日 20:56 現実と幻想のオーギュスト
  • 2007年05月10日 01:03 《焔》にて葬られし者は誰だ?
  • 2007年03月04日 10:27 死に逝く少女と看取った少女
  • 2007年02月20日 00:53 葡萄酒、そして傾いた天秤
  • 2007年02月18日 02:18 エトワールから澪音に至る道
  • 2007年02月17日 14:52 もう一つの朝と夜
  • 2007年02月13日 15:32 屋根裏と檻の中にて
  • 2007年02月12日 16:19 双子の人形と花言葉
  • 2007年02月10日 13:56 緋色の風車と花
  • 2007年02月09日 00:08 『殺戮の女王』と『ホープ・ダイヤモンド』
  • 2007年02月08日 00:57 賢者の伝言。【祝い】が【呪い】に変わる皮肉
  • 2007年02月08日 00:14 "真実"の伝言
  • 2007年02月07日 22:06 11文字の伝言の意味
  • 「Laurencin」は何者なのか

    対象楽曲:「見えざる腕」

    この楽曲には「金髪のLaurant」「赤髪のLaurant」と、二人の「ローラン」が出てきます。
    そしてさらに「Laurencin(ローランサン)」。

    前述の二人のローランに比べて、この「ローランサン」についてはあまりにも情報が不足
    しています。いったい彼は何者なのでしょうか?まずはこの「ローランサン」について、
    分かっている情報を整理してみましょう。

    ・黒い剣を持っている
    ・突如現れ、赤髪のローランを刺し殺した
    ・刺す瞬間は比較的冷静に見えたが、殺害後は狂ったように笑いながら走り去っていった

    …この程度しかありません。

    「こんばんは」「さようなら」と呟きながら、赤ローランを刺す様は、何処かの組織によって
    差し向けられた暗殺者、のような風情もかもし出しています。しかしその後はどうでしょう?

    狂ったような笑いは、積年の恨み、憎しみなどを晴らした者の哄笑のようにも見えます。
    少なくとも赤ローランに何の思い入れもない暗殺者であるなら、あのような笑い声をあげる
    事はないのではないでしょうか。

    では、赤ローランに思い入れがあると思われるキャラは誰でしょうか?
    この歌には「首を刈る姿...正に 風車」と赤ローランの蛮行を比喩した表現があります。
    ここの下りは、まさに「緋色の風車」に符号するキーワードと見受けられます。

    「緋色の風車」の大虐殺に赤ローランが関わっていたとしたら。少女と逃げ出し、結局
    少女を見殺しにすることとなったあの少年こそがローランサンではないでしょうか。

    ※アナザーロマンのイラストを見るとよくわかりますが、「緋色の風車」の少年の金髪。
     同じイラストの、赤ローランの横で黒い剣をもっている男性の髪も金髪です。

    少年の時は流転し、「黒き剣」という力を得て復讐を遂げた。
    では、この「黒き剣」はいったいなんなのでしょうか。少年はどこでこんなものを手にいれ、
    復讐のための力を得たのでしょうか。

    すぐに思い出されるのは、Chronicle2ndにて暗躍を繰り返していた「黒の教団」の存在です。
    少年は逃げ延びた後、黒の教団に拾われたのではないでしょうか。

    そして、ゲーフェンバウアーがアルヴァレスを殺害するために利用されたように、彼もまたその
    復讐心を利用され、暗殺者として育ったと思われます。
    赤ローランがもしフランドル帝国の将軍クラスの軍人であり、「アル中にしてヤク中」などという
    状態になっていたら、フランドル帝国としてはマイナスな人材でしかなく、消去したいと考えても
    不思議ではありません。

    ローランサンも、赤ローランを殺害したという加害者ではあるものの、被害者でもあります。

    また、最後に柱の影から見つめていた少年は「鳶色の目」と赤ローランと同一の特徴を
    持つことから、彼の息子と判断していいでしょう。いかな落ちぶれたとはいえ父親が無残に
    殺害される場面を見た子供はどう思うでしょうか。

    被害者は次の加害者にまわります。誰もがその輪に囚われてしまえば犠牲者でしか
    ありません。これは、そういう復讐の輪廻を歌った歌ではないでしょうか。

    Romanは全体的に表裏の二重意味、そして巡り巡る輪廻がキーとなっているようですね。

    ロマンを求める暗号解析表

    対象楽曲:Roman全体

    Romanの各楽曲は、ブックレットで見た場合に特定の箇所のみが数字になっています。
    これがこれまでの記事でも記載してきた暗号の鍵となっています。
    さて、さらにここで問題があります。
    ブックレットを見るとそれぞれの楽曲のページには半月型の穴が開いており、そこには
    紫陽花か、菫の姫君、そして特定の楽曲のキーワードがちょうどくるように歌詞が配置
    されています。

    この記事では、これらについて表としてまとめておきたいと思います。

    ※2007/06/20 姫君が逆転したものを修正しました

    トラック曲名キーワード数字姫君半月の語句
    01朝と夜の物語『朝と夜』0302(し)紫陽花(生)《焔》
    02『焔』0101(あ)菫(死)《腕》
    03見えざる腕『腕』1001(わ)紫陽花(生)《宝石》
    04呪われし宝石『宝石』0304(せ)菫(死)《星屑》
    05星屑の革紐『星屑』0502(に)紫陽花(生)《風車》
    06緋色の風車『風車』0105(お)菫(死)《天使》
    07天使の彫像『天使』0501(な)紫陽花(生)《美しき》
    08美しきもの『美しき』0902(り)菫(死)《葡萄酒》
    09歓びと哀しみの葡萄酒『葡萄酒』0501(な)紫陽花(生)《賢者》
    10黄昏の賢者『賢者』0301(さ)菫(死)《伝言》
    1111文字の伝言『伝言』0102(い)両方(生死)《地平線》

    こうやって並べてみると、第一の伝言はとてもシンプルなことがよくわかりますね。

    現実と幻想のオーギュスト

    対象楽曲:「天使の彫像」

    この曲には、Auguste Laurant(オーギュスト・ローラン)と呼ばれる彫刻家が登場します。
    これは、フランスのかの有名な彫刻フランソワ・オーギュスト・ルネ・ロダン(以下オーギュスト・ロダン)
    をモチーフにした人物だと考えられます。

    オーギュスト・ロダンの作品でなじみが深いものは「考える人」です。
    オーギュスト・ロダンは非常に生命力あふれる緻密で、リアルな人物の彫刻を得意と
    していました。

    この歌でオーギュスト・ローランが作った『天使の彫像』のモチーフは、オーギュスト・ロダンの
    未完作品である『地獄の門』がモチーフではないかと考えられます。
    ※前述の「考える人」はこの『地獄の門』を構成する群像のうちの一つ

    作品の内容、趣旨はまったく正逆のものとなっていますが、自らの全てをささげて製作に挑んだ
    ものであるという点において、この2作品は共通します。

    オーギュスト・ロダンは結局、『地獄の門』を完成させることができずに死を迎えます。
    彼は、『地獄の門』を設置する予定だった美術館計画が中止になり、製作依頼が打ち切られた
    後も、自分で自分の作品を買い取り、制作を続行しました。
    そこにはまさに「現実をも超える想像力」など、強い、強い想いがあったのではないでしょうか。

    対して、オーギュスト・ローランは『天使の彫像』を死の間際に完成させます。
    比較的史実と似せた設定になっている「殺戮の女王」と「ホープ・ダイヤモンド」とは違い、
    この2者はモチーフに対して対極の設定が与えられているようです。

    オーギュスト・ローランの息子についてはまた別の記事にて。
    ちなみにオーギュスト・ロダンは長年連れ添っていた内縁の妻(死去直前に結婚)との間に、
    世間には隠していたものの子供がいたようです。
    長く愛する人と共に過ごしたオーギュスト・ロダンと、愛する妻を早くに失ったオーギュスト・ローラン。
    この2点も対比なのかもしれませんね。

    《焔》にて葬られし者は誰だ?

    対象楽曲:「焔」

    この歌は、誰かの葬儀を行っているシーンから始まります。しかし、その葬儀が誰のものなのか、それは語られることがありません。では、ここで葬られたのはいったい誰なのでしょうか?

    それを考えるとき、この歌がChronicle 2ndを連想させるキーワードを持っている事に注目してみたいと思います。関係の深いキーワードとは以下の通りです。
    否定接続詞で綴じた書物が 歴史を操る
    これは、「黒の予言書」を思わせるキーワードです。
    また、「幾許かの平和と呼ばれる光 其の影には常に悲惨な争いが0101った」
    という出だしで葬儀が行われていることから、戦時中、または戦後に戦没者を送る葬式だと考えられます。これまでの歌で戦争が語られるのは、Chronicle 2ndの「聖戦と死神」におけるブリタニアとフランドル帝国の戦争です。
    よってこの歌はブリタニアとフランドルの戦争による犠牲者を悼む葬列を示しているように見受けられます。「黒の予言書」に逆らい、新たな歴史を作ろうとしていた者達。しかし歴史に操られ葬られた者。一瞬、Chronicle 2ndにて殺害された英雄アルヴァレスを連想させます。

    しかし、歌詞の後半には、
    「小さな棺の揺り籠で 目覚めぬ君を送ろう...」
    「誰かが綴った此の詩を 生まれぬ君に贈ろう...」
    という部分があります。「小さな棺」というのは、子供が葬られていることを連想させます。また、「生まれぬ君」という点とあわせると、死産した子供=生まれる事ができなかった者を葬ろうとしているように見受けられます。

    「朝と夜の物語」ではHiver Laurantが「生まれて来る前に 死んで行く僕の物語」と語っています。ここで、以前の考察で私は、ミシェルがイヴェールに転生しようとして不完全に失敗したために「生まれてくる前に 死んで行く」という事になったのではないかと推測しました。
    そして、完全に生まれる事ができる物語をつむごうとしてあがいている、と。

    それを考えると、この歌にて葬られたのは生まれる事ができなかったイヴェールの内の一人ではないでしょうか。死産の理由は不明ですが、戦時という過酷な状況であれば満足な出産環境も整えることができないのは然り、といったところでしょう。

    ひょっとしたら、ですが「失われた腕」で家出したローランの奥さんの子供なのかも、しれませんね。

    死に逝く少女と看取った少女

    対象楽曲:「輪廻の砂時計」「美しきもの」

    「美しきもの」と「輪廻の砂時計」。この2曲は、死にゆく「ロラン」とその最後を看取った「モニカ」という二人の姉妹の触れ合いをそれぞれの視点から見た歌となっていると見受けられます。
    簡単に書けば、それぞれの視点は以下の通りです。

    ・輪廻の砂時計 → 死に行くロラン(妹)の視点
    ・美しきもの   → 看取ったモニカ(姉)の視点


    ■二つに共通するメロディー 繋がる歌 「美しきもの」では冒頭に「君の大好きなこの旋律」という部分がありますが、この部分の旋律は「輪廻の砂時計」の「La La La La La La La La La La...」という部分と同一の旋律となっています。

    そして、「輪廻の砂時計」では一人の少女が「朽ちてゆく世界で 零れ落ちるまでの詩を綴る」とあり、しに行く少女(ロラン)が生前、何かの詩を残そうとしていたことが見てとれます。そして、彼女は「笑いながら 歌いながら あなたの腕の中」とある通り、最後は歌いながら最後を迎えます。

    その後、姉であったモニカは彼女の事を思い出しながら、その弔いのために彼女が生前よく歌っていたメロディーを「口風琴」(歌ではアルモニカという別の楽器に聞こえるが、ジャケットからはハーモニカだと思われる、また曲中の該当部分で流れる音はハーモニカの音)で吹いていた、というのが「美しきもの」の物語だと見受けられます。

    つまり、時間の流れとしては「輪廻の砂時計」 → 「美しきもの」となります。「輪廻の砂時計」でロランが死に、「美しきもの」でモニカがそれを追憶しているという流れです。

    ここで、何故この少女は死に際して"笑う"ことができたのでしょうか。
    それはこの曲名と、歌詞にあるとおり、「輪廻」を信じていたからにほかなりません。彼女は必ず生まれ変わって自分が再び愛する姉の元へ戻ってこれると信じているのでしょう。

    それ故にこそ「美しきもの」において、「心配ないよ」と姉に言ったのだと思われます。つまり「必ず戻ってくるから心配ないよ」という事だったのではないでしょうか。

    ■窓枠の画布。その風景画
    「其れは――」から続く4節の、春夏秋冬をイメージさせる歌詞の部分。ここで、"其れ"がかかる単語は何でしょうか。これは、その直前にでてくる"風景画"の事だと考えます。

    つまり、この4節はロランが見た風景画が4種類であることを示しています。

    「風が運んだ...淡い花弁...春の追想... 綺麗な音...歌う少女... 鳥の囀り」
    「蒼を繋いで...流れる雲...夏の追想... 綺麗な音...謡う少女..蝉の時雨....」
    「夜の窓辺に...微笑む月...秋の追想... 綺麗な音..詠う少女...虫の羽音...」
    「大地を包み...微睡む雪...冬の追想... 綺麗な音...詩う少女...時の木枯...」

    これは、四季折々の情景を歌ったものであり、このことから"風景画"というのはつまり、実在する絵ではなく窓から見える風景である、と考えられます。この時、病床の妹(ロラン)のために歌う姉(少女=モニカ)も含めて"風景画"として一枚の絵として捉えているのだと見受けられます。
    ここで「うたう」という言葉が4種類の感じで書かれていますが、これは例えばロランが作ったメロディーを口ずさむ、ハーモニカで吹いてあげる、あるいは単にロランに話を聞かせてあげる、などモニカの様々な行動を「うたう」と表現しているのだと解釈します。

    つまり、ロランが綺麗だといったのは、風景だけではなく、同時にモニカのことでもあるのです。

    最後にロランは死後、転生することは叶わなかったのかもしれません。「彼らは待ち続ける。輪廻が砂時計を反転させる瞬間を」と「輪廻の砂時計」に続く歌、「珊瑚の城」にあるように…

    葡萄酒、そして傾いた天秤

    対象楽曲:「歓びと哀しみの葡萄酒」「エルの天秤」

    「歓びと哀しみの葡萄酒」には「Loraine de Saint - Laurent(ロレーヌ・ド・サン・ローラン)」という女性が登場します。後世にまで残るほどの傑作となったワインを残した彼女ですが、彼女は「エルの天秤」にて恋人と逃走劇を繰り広げ、そして仮面の男アビスに恋人を殺され、その後アビスを刺し殺したその女性そのものであると考えられます。

    まず分かりやすい点としては、エルの天秤で使われて以降、ライブなどでも大人気となった「残念だったねぇ」という語りの部分。「歓びと哀しみの葡萄酒」にもこの声が入っています。ちょっと聞き取りにくいかとも思いますが、どこにあるか分からない人は、3分24秒付近をもう一度聞きなおしてみてください。必ず聞こえるはずです。

    ロレーヌの人生を時系列に示すと、以下のようになるかと見受けられます。



    ■「彼」との幸せな時代
    伯爵家の娘として生まれたロレーヌは、何一つ不自由なくすごしてきたのでしょう。やがて彼女は、屋敷の使用人と恋に落ちます。この時、使用人はワインを醸造する仕事をしており、それをロレーヌも手伝っていたのではないでしょうか。
    "愛した彼との『葡萄酒』"という記述がありますが、これはこの幸せな時代に彼から教えてもらった技術を元に後年、ロレーヌが作り出したワインであると考えます。

    なお、後に父親が再婚し「継母」が屋敷にきていることから、母親は死別、または離婚している事が見て取れます。



    ■伯爵家の転落。傾く天秤
    ここで重要なのは、伯爵家には「祖父」と「父親」がいるという事です。
    歌の中で祖父は「優しい祖父」と形容され、逆に父親は「権威主義を纏った父親」と評されています。

    おそらく、ロレーヌと使用人の恋仲について、「祖父」は容認していたのではないでしょうか。そうでなければ、ワインの醸造方法を娘がよく知るほどに放置はしていないでしょう。権威主義の「父親」も、まあ祖父の言う事には逆らえないか、あるいは逆らうほどのメリットがなかったのでしょう。

    しかし、そこに容認できなくなった理由が誕生しました。「父親」の元に嫁いできた「継母」はとんだ浪費家で、伯爵家の財産を食いつぶしてしまったからです。一度傾き始めれば貴族といえども脆いものです。

    そこで、伯爵(父親だと思われる)は娘を政略結婚のために使おうとします。有力な貴族と婚姻関係を結ぶことで、自らの家の格も取り戻そうとしたのでしょう。実に「権威主義」の父親らしい行動と見えます。
    この時、祖父がいればこの父親を止めたのではないでしょうか。しかし、祖父のことは一切話に出てきません。おそらく没落前後に、死去してしまったのでしょう。

    こうなれば、父親を止める人間は誰もいません。



    ■闘争と、逃走の日々
    ロレーヌと使用人は、何かしらのきっかけで父親である伯爵の目論見を知ります。彼女は、愛される人と結ばれることを望み、「そんな『世界』捨てよう…」と貴族の世界から逃げ出したのです。もちろん、家を復興させるための最後の手段である娘をみすみす伯爵が手放すわけはありません。
    なけなしの手勢を使って、なんとしても取り戻そうとしたのでしょう。しかし、彼女たちはなかなか捕まらず、逃避行を続けました。おそらく、伯爵家にじゅうぶんな財力が残っている状態だったら、彼女たちはそこまで逃げおおせる事はできなかったのではないでしょうか。

    そしてやがて業を煮やした伯爵は、どこからか噂を聞きつけ、仮面の男アビスに、娘を呼び戻す事を依頼します。「エルの天秤」では、娘の病気を治すための治療費を集めようと、どんな悪事にも手を染める仮面の男が描かれています。
    そしてそんなアビスに対して、父親は
    「娘さえ戻ればそれでよい。使用人のほうなど殺しても構わんわ」
    と、非常に冷徹な面を見せています。仮面の男はその依頼に従い、船を使って他国にでも逃げようとした二人を、船着場で待ち伏せて、捕らえてしまいます。そして…恋人の使用人は"バシャン"という水音がしているように、川に投げ込まれて殺害されてしまいました。



    ■虚飾の婚礼、仮面の男の死
    連れ戻されたロレーヌは、政略結婚の相手と盛大な結婚式を行います。このとき、何かの運命の皮肉("葡萄酒"の歌詞どおりに解釈するのであれば、継母が浪費して手に入れた『殺戮の女王』の魔力による)によって、彼女は愛しい恋人を殺したアビスの行方を知ってしまったのでしょう。

    ロレーヌは式の途中で姿を消し、そして……見つけたアビスを背中からナイフ、またはそれに順ずる刃物によって突き刺します。この時、彼女は半狂乱状態だったのでしょう。とどめを刺すこともなく、叫び声をあげながら走り去っていきました。



    ■その後の人生
    その後…「歓びと哀しみの葡萄酒」によれば、「その後の彼女の人生は...形振り構わぬものであった……」という記述があります。また、同時に「それでも誰かの渇きを癒せるなら この身など進んで捧げましょう」と、若干自棄的な台詞も見受けられます。
    つまり、彼女はアビスを殺した後、娼婦のような生活をしながら生計をたてていったのではないでしょうか。そうやって、自らの手で資金を作り、ブドウ園を作り上げたのでしょう。

    そうして、作り上げたブドウ園において、彼女は穏やかに、一人「彼」に教えてもらったやり方でワインを造り続けたのでしょう。彼とすごした時間の『歓び』、そしてその最愛の彼を失った『哀しみ』という経験こそが、知らずのうちにワイン製造に深みを与え、後世にまで残るワインを作り出せたのだと考えられます。

    ちなみに「樫の樽の中で 眠ってる可愛い私の子供達」という部分の表現は、純粋にワインの事だと思います。彼の残した技術によって、ロレーヌが作り上げたワインは、まさしく彼女にとって「子供」同然なのでしょう。また、「どんな夢を見ているのかしら」というのは、今後そのワイン達がどのような人たちのもとで飲まれるのか、ロレーヌ自身が夢想している姿ではないでしょうか。

    最後に。このワインと思われる葡萄酒が「見えざる腕」にも出てきます。そうすると、少なくとも「歓びと哀しみの葡萄酒」は「見えざる腕」よりも以前の話となります。関連して、「エルの天秤」ひいてはElysionの物語はChronicle 2ndにおけるガリアの戦いよりもさらに過去の時代の話であるという事になりつつも、この二つの地平が繋がった物語の中にあることを示していると考えられます。

    エトワールから澪音に至る道

    対象楽曲:「澪音の世界」「星屑の革紐」

    「星屑の革紐」にはエトワールと呼ばれる少女がでてきます。この少女は生まれつき目が悪く、じきに目が見えなくなってしまう事を宣告されています。そして、盲導犬としてPleut(プルー)が彼女の元に連れてこられます。

    まず結論から言ってしまえば、私はエトワールは澪音だと思っています。
    確かに名前も違いますし、性格付けも違うように見えます。しかし、ちゃんと理由はあります。
    以下には、私なりに「星屑の革紐」の物語を時系列別に並べてみます。
    また、この物語も、後の物語が「澪音の世界」だとするならば、【祝い】が【呪い】になったという皮肉が感じられます。

    ■1. エトワールの誕生から母親の死 
    まず、母親が、「星」の名を意味するエトワールを生んでいます。この時点では、
    彼女は目が生まれつき悪い事などはわからずに、純粋に【祝い】だったと考えられます。
    その後、母親は死去します(二人と一匹 という記述から)
    ここで、母親はプルー(Pluet)として転生していたのだと思います。(理由は後述)それゆえに、エトワールにとってプルーは"どこか懐かしい"温もりだったのではないでしょうか。
    プルーはエトワールにとって「妹」であると同時に「母親」なのだと考えます。

    ■2. プルーとの出会い
    エトワールの家に盲導犬としてプルーが連れてこられます。
    この時点で、エトワールは自分の視力がたどる運命を知っており、自分の名を、そして目を嫌っています。そして、好きになれない自分を責め、父に、母に謝罪をしています。
    つまり本来【祝い】であったはずのエトワールという名は、彼女にとって【呪い】と化しています。

    プルーを連れて外を歩く練習をはじめますが、もちろん最初はうまくいくはずもありません。彼女は転んだりして、孤独を感じています。
    それでも彼女はプルーと共に過ごし、じょじょにお互いのことをわかりあっていきます。"空白の時間"というのは、プルーがエトワールの家にくるまでの期間、でもありますが同時に「共に過ごすことのできなかった親子としての空白の時間」ではないでしょうか。

    ■3.そして死別
    "急に吹いた突風に"二人は引き裂かれます。この時、曲を聴くと何かが衝突したような音の後、犬が吠えて、その後悲しそうな鳴き声が入ります。
    これを見ると、「エトワールが何か(馬車、車などの類)に轢かれたのではないか」と考えられます。プルーが轢かれたのであれば、その後あんなにも激しく吠える事はできないでしょう。
    この時、エトワールは自分の無力を謝りながら、それでもプルーに好きだと言い、死んでいきます。

    この時、プルーは自分の存在が何であるのかを夢で見ます。それは、エトワールが生まれてくる瞬間。死したエトワールを再び"生み出す"という幻想。ここが、プルーがエトワールの母の生まれ変わりであると判断した理由です。母の魂であったからこそ夢の中で「あなたが産まれてきた朝の追憶」を見る事ができたのだと考えます。

    ■4.魂の邂逅と再度の誕生
    「忘れないよ...」の部分は、歌が2重になります。ここは、エトワールとプルーの魂が出会い、融合したような印象を受けます。しかし、この時、"暗闇に煌く世界を"の裏では、"苦しに揺らめく世界を"と言っているように聞こえます。
    エトワールは自らの目も、名も疎み、苦しみの世界に生きました。ならば、彼女にとって死とは安らかなる解放だったのではないでしょうか。

    (「母と歩いた」とも裏で言っている事から、魂の融合によりエトワールもプルー=母である事を悟っているのではないかと考えられます)

    プルーは「何の為にやってきたのか...最後に判って良かった――」として、死に向かいます。
    彼女が死の際に行ったのは出産です。ではここで産まれてくるのは何でしょう。彼女が母親として産みなおすもの、それはエトワール以外にはないでしょう。

    つまり、プルーの腹から産まれた「黒銀の毛並みを持つ仔犬」は、エトワールの転生した姿なのではないでしょうか。エトワールからしてみれば、ようやく安息できる死を得たのに、再び産まれ、生きるという残酷な苦痛を与えられたわけです。これは、エトワールがまるで死神のような印象を持つ「澪音」へと変わり行くに足る理由ではないでしょうか。

    つまり、私は前述でエトワール=澪音としてることから、「エトワール=澪音=黒銀の毛並みを持つ仔犬」だと考えています。
    澪音の"本体"は「黒銀の毛並みを持つ仔犬」であり、そこに宿った魂としてのエトワールこそが、「澪音」という少女として実体化しているのだと思います。
    ちなみに、この仔犬は「悼みの雨が降り注ぐ朝」に産まれています。そのことから、自らの名を嫌っていたエトワールは「雨」(Rain)と名乗ったのではないでしょうか。

    幸せになってほしかったはずで付けた名前、幸せになってほしくて再度産み出した母親。それは両方とも純粋な【祝い】であったはずです。しかし、それは皮肉にも【呪い】としてエトワールに降り注ぎ、彼女を「澪音」という存在にしてしまったのではないでしょうか…?

    「星屑の革紐」の最後には「《物語》の翼は地平線を軽々と飛び越えるだろう」という記述があります。これは、四番目の地平線である「Elysion」を飛び越えて、PicoMagicReloadedの「澪音の世界」へ到達するのか、あるいは五番目の地平線である「Roman」を飛び越えて、次なる地平線に到達するのか。

    どちらともとれますが、「澪音の世界」がいずれの地平にも属しておらず、"新しい地平線に描かれる物語"であると「...Reloaded」で語られている事から、いずれ澪音についてもっと詳しく語られる地平線が生まれるのではないでしょうか。期待してみたいと思います。

    もう一つの朝と夜

    対象楽曲:「朝と夜の物語 〜Another Roman Mix〜」

    某店でRomanを購入したときに手に入った特典。それがAnother Roman Mixです。
    このCDには、「Another Roman Anecdote of 5th story」という記述があります。

    Anecdoteという単語には「逸話」「奇談」「隠れた史実」といった意味があります。

    以前の記事「屋根裏と檻の中にて」において、私はHiverはミシェル・マールブランシェが転生した姿であり、その転生に失敗して、自らが完全に転生して誕生できる物語を探しているのがRomanなのではないか、と書きました。

    つまり、この朝と夜の物語こそが、Romanという地平線において「隠された史実」なのではないでしょうか。つまり、通常のRomanのジャケットに描かれているHiverと双子の人形は偽りであり、Another Romanにおいて描かれた「骸の男」と「壊れた人形」こそが真実の姿である、と。

    Another Romanは、イントロが通常のRomanとは異なり、yaneuraromanの後半部分と同一です。そしてこの旋律は「屋根裏の少女」とも同じです。故にこそ、Another Romanこそが本当の屋根裏から繋がる物語だと考えられます。

    というわけで、この曲は実質的には第三のボーナストラックと呼んでもいいのではないでしょうか…
    そのために、カテゴリの並べ方ではこのAnother Romanをyaneuraromanの後、14番目として設定しておきました。

    屋根裏と檻の中にて

    対象楽曲:「屋根裏の少女」「檻の中の遊戯」「檻の中の花」「yaneuraroman」

    屋根裏の少女から続くMichele Malebranche三部作。+Roman第2のボーナストラックであるyaneuraroman。この記事ではそこについて語ります。

    この物語は、「檻の中の花」で語られているように、3つのステージに分けられます。まずは、全ての事件が現実の中で連続しているという仮定のもとに各ステージごとに考察します。



    ■初舞台「パパの幸せを描いてあげる…」 1887年11月21日
    この部分は「屋根裏の少女」にて語られています(曲自体には歌無し。詩のみ存在)
    実父Joseph(ジョゼフ)に「飼われて」いた少女ミシェル。この時代に、彼女は何か尋常ならざる能力を得たようです。
    それはおそらく「キャンパスに描いたものを現実化する能力

    「私…お友達が欲しいな…」

    彼女は、キャンパスに対して望む「お友達」を描き、それを現実化してしまったのではないでしょうか。それは、あるいは狂気を孕んだ異形だったのかもしれません。それ故に、狂人に堕ちた父親でさえ、娘の異常さに気がつき、娘を殺そうとした。 
    …あるいは、父親は狂人などではなく、最初からミシェルに潜む異能に気がついていたのか。

    ミシェルはこの時、父親を殺害します。しかしその殺害方法は年齢相応の少女には到底不可能なほどに凄惨で不可解な変死だったようです。また、証拠もありません。
    「そうだ…パパの幸せを描いてあげる」
    この時、ミシェルは何かをキャンパスに描き、具現化したその存在によって父親を殺害したと考えられます。そして父親の血によって「赤いキャンパス」になったのではないでしょうか。



    ■2度目の舞台「もう一度この手で彼女を…」 1895年7月30日
    この部分は「檻の中の遊戯」にて語られています。
    この時、ミシェルは加害者側ではなく被害者側として犯罪史に登場しているようです。

    おそらく父を失い、身寄りを失ったミシェルを叔父であるArmand Ollivier(アルマード・オリヴィエ)が引き取ったのでしょう。しかし、叔父が求めたのはミシェルの若い肉体であったと見受けられます。檻の中の遊戯の冒頭を素直に読むのであれば、叔父はミシェルを抱きながら、首を絞め絞殺しています。

    あるいはそれが彼なりの狂った愛情だったのかもしれません。若いミシェルを若いままに保ち、自らのそばに置く方法。しかし、そこに異常が発生します。おそらく…その後の叔父の行動を見るに、ミシェルは蘇生したのです。"識られざる幕間"の「素早く抱き寄せ 首筋に熱い接吻」という部分からも見るに、彼女は吸血鬼に近い特性を得ているものと考えられます。

    そこで叔父も危機を覚えたのでしょう。ミシェルの力が異常であることに。故に彼はミシェルを完全に殺そうとした。それが「もう一度この手で彼女を…」という部分だと考えられます。そして、彼はミシェルを殺害し、その遺体を用意した棺桶の中に入れて葬ろうとします。

    しかし、ここですでに叔父はミシェルの異能に踊らされていただけに過ぎなかったのだと思います。ミシェルは先に得ている何らかの力によって叔父に夢や幻影を見せていたのかもしれません

    いずれにせよ、叔父は逮捕された時点で「半狂乱で笑いながら庭に穴を掘っていたところを…」という状態であったため、酷い錯乱状態にあった事は確かなようです。
    ミシェルの作り出した「檻」の中で夢を見ているという事を忘れ、狂っていった叔父。それが「檻の中の遊戯」における「忘レモノ」だと思われます。

    そして、「絞殺・死体遺棄未遂事件」については、警察がミシェルを見つけた時点ではミシェルは確かに死んでいたのかもしれません。しかしその後"幸運にも"息を吹き返した生存者となったのではないでしょうか。無論、彼女の場合は"幸運"ではなく"必然"なのでしょうが。



    ■三度目の舞台「少年の液体は仄甘く」 1903年 2月4日
    ミシェルが死亡した時。この部分の話は不完全ながら「yaneuraroman」にも出てきます。
    おそらく二度目の舞台の時に完全な被害者であったミシェルは特に警察にマークされることもなく、その後の8年間を過ごしたことでしょう。
    それゆえに13人という多人数の少年を連れ込み、そして殺害するようなことができた。
    おそらく彼女はこの13人の少年を生贄として使って、何かしらの黒魔術でも実行したのでしょう。
    「少年の液体」というのは少年たちの血、または精液などの体液の事であると考えられます。

    そして……彼女は、古い「ミシェル」という肉体を脱ぎ捨てて、転生した。yaneuraromanでは「さぁ、生まれておいでなさいHiver…」という下りがあります。これは、正にミシェルが何らかの黒魔術的な儀式を行い、イヴェール(Hiver)という存在への転化を果たした瞬間なのではないでしょうか。

    Hiverという単語が持つ意味は「冬」です。2月4日という冬に転生した者にとっては、その名前はふさわしいものではないでしょうか。しかし彼女の転生は不完全で、正常な転生を行う事はできなかった。

    それゆえに死でも生でもない狭間に囚われてしまい、抜け出せなくなったのではないでしょうか。そしてその「右手に神を、左手に悪魔を宿した…」という異能は、「双子の人形」へと転化し、その能力で自らが完全に転生し、生まれてくるための物語を紡ごうとあがいている。
    それこそが「Roman」なのだと考えます。

    ※Hiverは「右手に死を、左手に生を」でミシェルと能力が逆転しています。これは、彼女が転生の際に性転換を行ったために能力自体も逆転したのではないかと考えます。

    双子の人形と花言葉

    対象楽曲:「朝と夜の物語」

    この歌には、『菫(スミレ)』と『紫陽花(アジサイ)』の人形(姫君)が登場します。
    それぞれ、菫が「死」と「夜」を。紫陽花が「生」と「朝」を象徴しています。

    確かに色としても紫と青で、それぞれのイメージに相応しい色ともいえます。
    さて、ところで花には「花言葉」と呼ばれるものがあります。
    では『菫』と『紫陽花』の花言葉はなんでしょう。

    『菫』   :「真実の愛」「誠実」「貞節」

    『紫陽花』:「辛抱強い愛」(フランスでの花言葉)
           ※日本では「浮気」「移り気」「変節」

    のようです。どちらも似たような、誠実な愛を示す花言葉となっており、菫のほうにも「死」を予感させるような言葉は見つかりませんでした。なお、紫陽花の花言葉はRomanの主な言語がフランスのために、日本語の花言葉は思考からひとまず除外します。

    「焔」において死者に対して双子の人形が手向けられた事を考えると、この双子の人形は、深い愛を込められて用意されたものである事が推測されます。

    緋色の風車と花

    対象楽曲:「緋色の花」「緋色の風車」

    Lostに収録されている「緋色の花」と少年は剣を…とRomanに収録されている「緋色の風車」。この2曲はタイトルの時点で非常に強い関連性を匂わせてくれています。そして歌詞を見てみると、さらに関連が見えてくると思います。

    まず、作品としては「緋色の花」のほうが先なのですが、物語的な流れとしては「緋色の風車」が先だと思われます。理由は以下のとおりです。

    ■1.「緋色の花」からの視点
    この作品に出てくる花は、森に迫ってくる兵士に対して戦おうとします。しかし、

    "けれど大地に縛られた体は動かない"。

    私はこの一節から、この作品の"花=少女"は自らが死に、"森の魔性"に取り込まれ、花と化して自らを殺した者達を憎み続けている、哀れな少女の魂であると考えます。
    花は自らが動けない事を"縛られている"とは称さないでしょう。なぜなら動けないのが当然なのですから。"縛られている"と感じるのは、もともとが動ける存在だったから、です。
    自分がすでに人という存在ではないという事実。それこそがこの歌における"忘レモノ"ではないでしょうか。

    しかし、この作品にはこの"花"以外の少女は登場しません。この少女が誰であるのか。どうして死んだのか。何故、兵士たちを憎むのか。その答えが「緋色の風車」にあると考えます。

    ■2.「緋色の風車」からの視点
    こちらでは、少年と少女の住む村が突然何かの軍隊に襲われ、二人は森の中へ逃げ込みます。
    しかし、二人は残念な事に逃げ切る事はできずに、見つかってしまいます。
    少年は走り逃げ、少女はただ一人、死を迎えます。
    そしてその無念さ、絶望を孕んだ魂が森の魔性に取り込まれ"緋色の花"となったものだと思われます。……あるいは、自分を置いて逃げた少年への恨みもあるのかもしれません。

    以上よりこの2曲は、少女が死に至るまでと、死後の行方であると考えられます。

    次は、この2曲の背景にある時代、共通点についてみてみましょう。

    ■この2曲に出てくる軍隊とは何者なのか
    Sound Horizonの作品群の中で、大規模な軍隊、戦争が語られる話は今のところひとつしかありません。それがChronicle 2ndにおける「薔薇の騎士」〜「聖戦と死神」に至るブリタニア王国と神聖フランドル帝国を主軸とした大戦です。
    この劇中、フランドル帝国はブリタニアに対して聖戦と称し、大規模な虐殺を行っています。この残虐性は「緋色の風車」における兵士達の残虐性と同一視できます。それ故、この曲の舞台はブリタニアであると見て取れます。

    しかしここでひとつ問題があります。緋色の風車=ムーラン・ルージュ (Moulin Rouge)とは、フランス語です。舞台がイギリスをモチーフとしたブリタニアなのに、使われている語句がフランス語というのは些か奇妙で矛盾しています。
    この問題の解決に、ムーラン・ルージュとは物理的な風車を示すものではなく"剣や槍を振り回し、次々に人々を虐殺していく兵士の姿、舞い散る血しぶき"こそがムーラン・ルージュなのであると考えます。

    これは、「見えざる腕」において"首を刈る姿、まさに風車"という一節がある事からも、そう間違ってはいないと思われます。つまり、フランスをモチーフとしたフランドル帝国の軍隊。それこそが緋色の風車=ムーラン・ルージュ (Moulin Rouge)なのだと考えればいいと思います。

    ■仮説:2つの「緋色の風車」
    「少年は剣を…」 と 「Roman」に収録された「緋色の風車」。この2曲はほとんど同じですが、一部の単語が「少年は剣を…」の時は英語だったものが、「Roman」ではフランス語に置き換えられています。
    もちろん「Roman」はその他の曲の単語もフランス語で統一されているため、単に合わせたという考え方もできるでしょう。

    ですが、ここに意味があるとしたらどうでしょう?
    もしかしたら、この「緋色の風車」の情景は、ブリタニア、フランドル帝国どちらでもおきた事なのかもしれません。ゆえに、英語とフランス語で1曲ずつ存在する。大戦では後半、フランドル帝国が劣勢となりますが、この際、ブリタニアが逆に虐殺を行わなかった、と保証する材料はないわけです。

    まあ、単に私の考えすぎかとも思いますが^^;


    最後に。
    「緋色の花」は「Lost」の中において"6番目の記憶"です。そして、「緋色の風車」は「Roman」において、"トラック6"です。これは偶然でしょうか。私には意図的に合わされたもののように見えてしまいます。

    『殺戮の女王』と『ホープ・ダイヤモンド』

    対象楽曲:「呪われし宝石」 

    「呪われし宝石」をはじめとして、Roman内の各楽曲には『殺戮の宝石』(レーンヌ・ミシェル)というダイヤモンドが登場します。レーンヌ・ミシェルという名の考察についてはこの記事では置いておくとして、
    表題のとおり現実い存在する"ホープ・ダイヤモンド"というものとの比較考察をしてみようと思います。

    さて、まず最初に"ホープ・ダイヤモンド"というのは現実に存在するダイヤモンドで、『呪いの宝石』として非常に有名です。『殺戮の女王』はこの明らかにこのダイヤをモチーフとしている点が多々見受けられます。以下が色や大きさなどの比較です。

    殺戮の女王     : 赤色 30カラット 鉱夫が発見
    ホープ・ダイヤモンド: 青色 44.5カラット 農夫が発見 

    これだけでも類似点というか、対比しているのが見てとれます。ちなみにホープ・ダイヤモンドは当初は100カラット以上だったらしく(数回のカットによって、44.5カラットまで小さくなった)、それを考えると30カラットって意外とちっちゃいのかな、とも思ってしまいます(1カラットは0.2gなので、30カラットは6g)

    また、ホープ・ダイヤモンドの歴史には殺戮の女王と非常に類似する点があります。
    それは1972年。フランス王室の宝石庫に保管されていたホープ・ダイヤモンドを6人の窃盗団が強奪していったという点です。

    殺戮の女王も、歌中で二人組みの盗賊に強奪されています。
    ホープ・ダイヤモンドは、窃盗団に強奪された次の持ち主が正確に史実に残っている記録として最古のもののようです。
    殺戮の女王も、「『彼女』が、再び世に解き放たれる…」といわれてる事から、この時点までは一度歴史の闇に埋もれていたのでしょう。それが二人の盗賊によって再び世をめぐり始めたので、そう表現されたのだと思われます。

    ちなみに、ホープ・ダイヤモンドの【呪い】は大半が脚色されたものだそうです。
    殺戮の女王は、そうは言っていられないようですけどね^^;

    賢者の伝言。【祝い】が【呪い】に変わる皮肉

    対象楽曲:「黄昏の賢者」「呪われし宝石」

    「黄昏の賢者」では、曲の後半にRomanの2番目のボーナストラックを手に入れるための暗号が存在しています。この暗号はそれぞれの楽曲を象徴する以下のキーワードと、その順番が鍵になっています。

    『風車』 『美しき』 『焔』 『腕』 『宝石』 『朝と夜』 『星屑』
    『葡萄酒』 『賢者』 『伝言』 『天使』 『地平線』

    以上12キーワードです。最後の『地平線』を除くと、どの曲がどのキーワードに該当するかはすぐに分かります。そして、ブックレットを見ると、それぞれの曲には数字に置換された部分があります。
    この置換されている部分を、賢者の伝言どおりに並べると、以下の通りになります。

     『0105 0902 0101 1001 0304
     0302 0502 0501 0301 0102 0501』

    これを暗号のルールに従って解読してみましょう。すると以下の通りとなります。

      『おりあわせ しになさいな』 → 『折り合わせ 死になさいな』

    最後の『地平線』とは伝言入力のURLでしょう。(「此の地平に灯して〜」という下りより)
    つまり、11文字を賢者の語る順番に辿り、最後に地平線へ到達する。これによって第二のボーナストラックを得る事ができます。

    さて、この暗号にはボーナストラックの入手よりも重要な意味があると考えられます。
    並び替える前の「真実の伝言」では「しあわせに おなりなさい」
    しかし、並び替えた後の伝言は「おりあわせ しになさいな」
    この二つはあまりにも意味が逆に過ぎます。

    さて、この意味を考える時に私は「呪われし宝石」の一説が関連があるものだと思っています。
    「【祝い】が【呪い】に変わる皮肉」

    呪われし宝石では、妹(ノエル)の結婚祝いのために兄イヴェールが見つけ出した赤色金剛石。しかしイヴェールは殺されてしまい、祝いのための品であった赤色金剛石は、手にした人々を次々と殺していき、『殺戮の女王』などという不本意な二つ名を与えられてしまいます。

    まさに、11文字の伝言と、それを並び替えた伝言と状況が一致してはいないでしょうか。

    この並び替えた伝言による次のボーナストラックにおいても、『殺戮の女王』が出てくるあたり、この二つの【祝い】と【呪い】は密接にリンクしている、あるいは同一の意味であると考えています。

    "真実"の伝言

    関連楽曲:「truemessage」

    この曲は、CDには収録されていません。前述の記事である「11文字の伝言の意味」を解読する事で手に入る楽曲です。

    この楽曲には正式なタイトルのタグなどがついておらず「truemessage.mp3」というファイル名だけが存在します。そのために、拡張子をのぞいた「truemessage」を曲名としています。

    さて、この楽曲ですが聞いてみるとわかる通り、ほとんど「11文字の伝言」と変わりません。
    流して聞いてると、何が違うのかさっぱりわからないかもしれません。

    でもちゃんと聞き比べてみると、1点だけ違うのに気がつくはずです。
    「11文字の伝言」では「ララララ…」となっていた部分を、正しく歌っているのです。
    それ以外の部分は、全く変わりがありません。

    唐突に終わりが切れる「11文字の伝言」からメロディーがつながっているわけでもなく、こちらも唐突にメロディーが切れます。曲自体の長さも共に7:08と全く同じになっています。

    よって、この曲は「Romanの12曲目」というよりは、タイトル(ファイル)名の通り、「11文字の伝言」を置き換えた"真実"の「11文字の伝言」であり、それ以上でもそれ以下でもないと考えます。

    ボーナストラックとして重要なのは、もう一つの「yaneuraroman」だと思われます。こちらの考察についてはまた別の記事で行わせていただきます。

    11文字の伝言の意味

    対象楽曲:「11文字の伝言」

    「11文字の伝言」の歌詞カードには以下のような数字の羅列があります。

       『0302・0101・1001・0304・0502・
      0105・0501・0902・0501・0301・0102』

    これだけいきなり見た人には何のことだかわからないかと思います。
    また、楽曲自体の該当部分を聞くと「ラララ…」としか歌っていないので、何だか分からないでしょう。

    けれども、歌詞カードをここまでしっかり見た人であればこの伝言を解読する事は容易いはずです。というか、たぶんRoman所持者のほとんどはこの記事に書いてある事は既知の事だと思いますが、一応書いてみます。

    Romanの各楽曲は全ての曲の歌詞において、必ず特定のひらがな一文字が、数字に変換されています。

    これを読むのは難しくないはずです。
    また、それでもよくわからない人はCDケースの中部分をはずして、ジャケットの裏を見てみてください。そこに伝言解読のための対応表があります。

    つまり、この数字は4桁で一つのひらがなを示しているのです
    最初の2桁は、「あかさたな…」の行の位置、そして後の2桁はその行内の何文字目か、です。
    例:0502 → 5番目の行は「な行」。そしてな行の2文字目なので「に」

    この法則を上記の暗号に当てはめてみれば、答えは見えてきます。

    そして、もしまだ気がついていない人がいたら、ブックレットの一番最後のページの一番下を見てみてください。「伝言」という単語と共に奇妙なURLが記載されているはずです。

    11文字の伝言が読み取れたなら、このURLからボーナストラックが得られたはずです。いつ消えるか分からないので、できるだけ早めにボーナストラックはゲットしておきましょう。

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