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《焔》にて葬られし者は誰だ?

対象楽曲:「焔」

この歌は、誰かの葬儀を行っているシーンから始まります。しかし、その葬儀が誰のものなのか、それは語られることがありません。では、ここで葬られたのはいったい誰なのでしょうか?

それを考えるとき、この歌がChronicle 2ndを連想させるキーワードを持っている事に注目してみたいと思います。関係の深いキーワードとは以下の通りです。
否定接続詞で綴じた書物が 歴史を操る
これは、「黒の予言書」を思わせるキーワードです。
また、「幾許かの平和と呼ばれる光 其の影には常に悲惨な争いが0101った」
という出だしで葬儀が行われていることから、戦時中、または戦後に戦没者を送る葬式だと考えられます。これまでの歌で戦争が語られるのは、Chronicle 2ndの「聖戦と死神」におけるブリタニアとフランドル帝国の戦争です。
よってこの歌はブリタニアとフランドルの戦争による犠牲者を悼む葬列を示しているように見受けられます。「黒の予言書」に逆らい、新たな歴史を作ろうとしていた者達。しかし歴史に操られ葬られた者。一瞬、Chronicle 2ndにて殺害された英雄アルヴァレスを連想させます。

しかし、歌詞の後半には、
「小さな棺の揺り籠で 目覚めぬ君を送ろう...」
「誰かが綴った此の詩を 生まれぬ君に贈ろう...」
という部分があります。「小さな棺」というのは、子供が葬られていることを連想させます。また、「生まれぬ君」という点とあわせると、死産した子供=生まれる事ができなかった者を葬ろうとしているように見受けられます。

「朝と夜の物語」ではHiver Laurantが「生まれて来る前に 死んで行く僕の物語」と語っています。ここで、以前の考察で私は、ミシェルがイヴェールに転生しようとして不完全に失敗したために「生まれてくる前に 死んで行く」という事になったのではないかと推測しました。
そして、完全に生まれる事ができる物語をつむごうとしてあがいている、と。

それを考えると、この歌にて葬られたのは生まれる事ができなかったイヴェールの内の一人ではないでしょうか。死産の理由は不明ですが、戦時という過酷な状況であれば満足な出産環境も整えることができないのは然り、といったところでしょう。

ひょっとしたら、ですが「失われた腕」で家出したローランの奥さんの子供なのかも、しれませんね。

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