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「Laurencin」は何者なのか

対象楽曲:「見えざる腕」

この楽曲には「金髪のLaurant」「赤髪のLaurant」と、二人の「ローラン」が出てきます。
そしてさらに「Laurencin(ローランサン)」。

前述の二人のローランに比べて、この「ローランサン」についてはあまりにも情報が不足
しています。いったい彼は何者なのでしょうか?まずはこの「ローランサン」について、
分かっている情報を整理してみましょう。

・黒い剣を持っている
・突如現れ、赤髪のローランを刺し殺した
・刺す瞬間は比較的冷静に見えたが、殺害後は狂ったように笑いながら走り去っていった

…この程度しかありません。

「こんばんは」「さようなら」と呟きながら、赤ローランを刺す様は、何処かの組織によって
差し向けられた暗殺者、のような風情もかもし出しています。しかしその後はどうでしょう?

狂ったような笑いは、積年の恨み、憎しみなどを晴らした者の哄笑のようにも見えます。
少なくとも赤ローランに何の思い入れもない暗殺者であるなら、あのような笑い声をあげる
事はないのではないでしょうか。

では、赤ローランに思い入れがあると思われるキャラは誰でしょうか?
この歌には「首を刈る姿...正に 風車」と赤ローランの蛮行を比喩した表現があります。
ここの下りは、まさに「緋色の風車」に符号するキーワードと見受けられます。

「緋色の風車」の大虐殺に赤ローランが関わっていたとしたら。少女と逃げ出し、結局
少女を見殺しにすることとなったあの少年こそがローランサンではないでしょうか。

※アナザーロマンのイラストを見るとよくわかりますが、「緋色の風車」の少年の金髪。
 同じイラストの、赤ローランの横で黒い剣をもっている男性の髪も金髪です。

少年の時は流転し、「黒き剣」という力を得て復讐を遂げた。
では、この「黒き剣」はいったいなんなのでしょうか。少年はどこでこんなものを手にいれ、
復讐のための力を得たのでしょうか。

すぐに思い出されるのは、Chronicle2ndにて暗躍を繰り返していた「黒の教団」の存在です。
少年は逃げ延びた後、黒の教団に拾われたのではないでしょうか。

そして、ゲーフェンバウアーがアルヴァレスを殺害するために利用されたように、彼もまたその
復讐心を利用され、暗殺者として育ったと思われます。
赤ローランがもしフランドル帝国の将軍クラスの軍人であり、「アル中にしてヤク中」などという
状態になっていたら、フランドル帝国としてはマイナスな人材でしかなく、消去したいと考えても
不思議ではありません。

ローランサンも、赤ローランを殺害したという加害者ではあるものの、被害者でもあります。

また、最後に柱の影から見つめていた少年は「鳶色の目」と赤ローランと同一の特徴を
持つことから、彼の息子と判断していいでしょう。いかな落ちぶれたとはいえ父親が無残に
殺害される場面を見た子供はどう思うでしょうか。

被害者は次の加害者にまわります。誰もがその輪に囚われてしまえば犠牲者でしか
ありません。これは、そういう復讐の輪廻を歌った歌ではないでしょうか。

Romanは全体的に表裏の二重意味、そして巡り巡る輪廻がキーとなっているようですね。

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