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現実と幻想のオーギュスト

対象楽曲:「天使の彫像」

この曲には、Auguste Laurant(オーギュスト・ローラン)と呼ばれる彫刻家が登場します。
これは、フランスのかの有名な彫刻フランソワ・オーギュスト・ルネ・ロダン(以下オーギュスト・ロダン)
をモチーフにした人物だと考えられます。

オーギュスト・ロダンの作品でなじみが深いものは「考える人」です。
オーギュスト・ロダンは非常に生命力あふれる緻密で、リアルな人物の彫刻を得意と
していました。

この歌でオーギュスト・ローランが作った『天使の彫像』のモチーフは、オーギュスト・ロダンの
未完作品である『地獄の門』がモチーフではないかと考えられます。
※前述の「考える人」はこの『地獄の門』を構成する群像のうちの一つ

作品の内容、趣旨はまったく正逆のものとなっていますが、自らの全てをささげて製作に挑んだ
ものであるという点において、この2作品は共通します。

オーギュスト・ロダンは結局、『地獄の門』を完成させることができずに死を迎えます。
彼は、『地獄の門』を設置する予定だった美術館計画が中止になり、製作依頼が打ち切られた
後も、自分で自分の作品を買い取り、制作を続行しました。
そこにはまさに「現実をも超える想像力」など、強い、強い想いがあったのではないでしょうか。

対して、オーギュスト・ローランは『天使の彫像』を死の間際に完成させます。
比較的史実と似せた設定になっている「殺戮の女王」と「ホープ・ダイヤモンド」とは違い、
この2者はモチーフに対して対極の設定が与えられているようです。

オーギュスト・ローランの息子についてはまた別の記事にて。
ちなみにオーギュスト・ロダンは長年連れ添っていた内縁の妻(死去直前に結婚)との間に、
世間には隠していたものの子供がいたようです。
長く愛する人と共に過ごしたオーギュスト・ロダンと、愛する妻を早くに失ったオーギュスト・ローラン。
この2点も対比なのかもしれませんね。

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